小さい頃から気にしすぎが初期装備
昔から私は、
「気にしすぎー」
「考えすぎじゃない?」
「深読みしすぎ」
この三点セットを、わりと丁寧にフルコンボで言われてきた。
自分ではそれが最初から装備されていたのでなんの違和感もなかった。
そんな言葉を言われてまた更に考える。生きづらい負の連鎖、無事に完成。
できれば、脳にミュート機能をつけたい人生だった。
「HSP」(繊細さん)という言葉との出会い
ある日、「HSP」という言葉と出会った。
その瞬間の感想は、
え、名前ついてるやつだったの?めちゃくちゃ私じゃん。
今まで自分のそういう部分を「面倒な性格なんだ」と片付けていた。
人より反応が多いだけ。
気にするポイントが細かいだけ。
気付いてしまうだけ。
そうやって、深く考えないようにしてきた。
でもHSPという言葉を見たとき、
はじめて
「これは私だけの問題じゃなかったのかもしれない」
と思えた。
説明できなかった違和感に、
ラベルが貼られた感じ。
それだけなのに、
長年ふわふわしていた気持ちが、
一瞬だけ、地面に着地した。
この先もきっと、
気づきすぎるし、感じすぎる。
でも少なくともこの日から、
「理由のわからない生きづらさ」ではなくなった。
性格の欠陥じゃなかった。
ただ、初期装備の感度が高すぎただけだった。
① 玄関を開けた瞬間、反省会スタート
一日が終わり、玄関を開けた瞬間、
自動開催される反省会。
・あの一言、余計だった?
・変な間、なかった?
・あの時ちょっと顔怒ってなかった?
もう終わった話を、
何回も巻き戻して、何回も再生して、
小さい違和感を掘り起こしては反省する。
そして最終的に、「今日もダメな人間だったな」で締める。
とても丁寧なセルフダメ出しによって、
今日もまた、自分の自己肯定感をそっと下げていった。
丁寧な仕事も考えものだ。
② 小さな変化に気づいてしまう
誰も気づいていないような、
ほんの小さな変化に気づいてしまう。
声のトーン、表情、間。
「気のせいかな?」と思う程度の違和感でも、
なぜか見逃せない。
元気のない人がいるとすぐ気になってしまう、
不機嫌な人がその場にいるだけで、空気が重く感じる。
自分に向けられているわけじゃない。
関係ないと分かっていても、
なぜか気になってしまう。
気づいたところで、
何かできるわけでもないのに、
一人で勝手に気を張って、疲れていく。
今日も反省会開催決定。
この察知能力、早く正しい使い道に配属されてほしいと願うばかりだ。
③ 共感能力が高い
小さな変化に気づいたあと、
私はだいたい、そこで終われない。
相手の話を聞くと、
その人の気持ちを想像するというより、
一緒に感じてしまう。
嬉しい話なら一緒に喜ぶし、
ムカついた話なら一緒に腹が立つ。
悲しい話なら、気づけば同じ気持ちで沈んでいる。
たぶんそのせいで、
相談されることは多いほうだと思う。
話しやすいとか、
分かってくれる感じがするとか、
そう言ってもらえることもある。
それはありがたい。
ちゃんと嬉しい。
ただその一方で、
誰にでも、どんなことでも、相談されると感情を一緒に動かしすぎて、
家に帰る頃には、どっと疲れている。
共感能力が高い、なんて言うと聞こえはいいけれど、
実際は
自分の感情なのか、相手の感情なのか分からなくなっている状態かもしれない。
心のストレージが他人の感情でいっぱいです。
そりゃ、重くもなる。
④ 音や匂いに敏感
急な物音、予想外の大きな声、インターホンの音、街ゆく人の靴のかかとを擦る足音。
「私の神経が全部、大げさに拾いにいってしまう」
こういう音だけノイズキャンセル出来る機能搭載したい。
「そんなに驚く?」って言われることでさらに心が疲れる。
こっちは通常運転。
目立ちたくてやっているわけじゃないのに目立ちたいキャラと認定されイラっとする顔をしてくる人もいるが、負けじとモヤっとしてやる。
匂いにもわりと敏感で、
人の柔軟剤が変わったことや、あ、今日は香水つけてるな、くらいには気づいてしまう。
特技として使える場面は今のところない。履歴書に書ける日を気長に待っているところだ。
私にとって梅雨は、紫陽花より生乾きシーズンである。
この時期外に出ると私はいつも、誰かの生乾き臭と戦っている。
静かな戦いだが、
まあまあ消耗する。
自分だけじゃないと知って、少しラクになった今
HSPという言葉を知った今でも、考え方は変わらず気にしすぎるし、感度高めのアンテナは今日も勝手に動いている。
もちろん反省会も相変わらず自動開催だ。
でも、
「私がおかしいんじゃない」
「同じ悩みを持っている人が他にもいる」
そう思えただけで、
自分へのダメ出しの音量が少し下がった。
気にしすぎる自分を、
無理に直そうとしなくていい。
責めなくていい。
そう思えた今、
前よりほんの少しだけ、
生きるのが楽になった気がしている。
これは欠点じゃなくて、気質。
不具合じゃなくて、仕様。
だから修理しようとするんじゃなくて、取扱説明書を読めば良かっただけだった。
もし同じように生きづらさを感じている人がいたら、
ここにも、同じ様に感じながら生きてる人がいます。
気にしすぎるのも、疲れやすいのも、
ダメだからじゃない。
敏感なセンサーを抱えたまま、
今日も一日やり過ごした私たち。
もうそれだけで十分がんばっている。
疲れたらカーテン閉めて布団にこもればよし。
だらけているわけじゃなくて充電中。
性能が少し高めで、バッテリーの減りが早いだけ。
ごめんあそばせ。
大丈夫。
今日もちゃんと、経験値は入っている。
みんなのレベルアップの音がはっきり聞こえた。


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